1981年にBCGワクチン接種を中止しているスペインでは、
4月7日午前までの24時間で、新型コロナウイルスの
新たな感染者は5478人、感染者数が14万510人に達した。
死者数は1万3798人と甚大な被害が出ている
一方、BCGワクチンの全例接種を実施している隣国ポルトガルでは、
感染者は9034人、死者は209人。保健当局は、感染拡大は5月末に頭打ちになるとみている。(4月3日時点)
「確かにポルトガル、日本、韓国、シンガポールなどBCGワクチンを定期接種にしている国は新型コロナの被害が少なく、
スペイン、イタリア、アメリカなど定期接種していない国は被害が多いという相関関係が見て取れます。
BCGワクチンが先天性免疫応答を調節し、
結核以外のウイルス感染から防御する作用を持つ可能性があることはわかっている。
蘭ラドバウド大学の研究チームが
「BCGワクチンの接種が黄熱ウイルスの感染を抑制するのか」を検証した
2018年1月の研究論文によると、「BCGワクチンの接種により、弱毒化した黄熱ウイルスのワクチン株の感染から防御する働きが認められた」との事。
BCG Vaccination Protects against Experimental Viral Infection in Humans through the Induction of Cytokines Associated with Trained Immunity.
米ハーバード大学公衆衛生学部の
疫学者メーガン・マレー教授も、
3月18日、「BCGワクチンが新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を軽減させる可能性がある」と指摘
臨床試験実施の発表に際してラドバウド大では、
BCGワクチンが新型コロナウイルスを直接的に防ぐわけではなく、
免疫系を高めることで抵抗力の向上と感染の軽減につながる可能性があると説明している。
COVID-19の場合、ウイルス自体の感染に加え、一部の患者では過剰な免疫反応が起こり「炎症性サイトカイン」と呼ばれるタンパク質の産生が制御不能となる。
「BCGワクチン接種は、この炎症免疫反応の調整を改善する助けになる可能性がある」
これは、特にBCGワクチンによって、攻撃に対してより効果的に対抗できるよう先天性免疫系を「訓練」して準備するイメージとの事。
とにかく、正しい情報を得て頑張るしかありません。
日本は、そんなに悲観的な要素ばかりじゃないんです。
BCGは、結核に対する免疫を獲得するために100年以上前に開発された生ワクチンで、もともと牛に感染する牛型結核菌の毒性を弱めたもの。
生後1歳までの赤ちゃんを対象に、細い9本の針を刺す「ハンコ注射」でお馴染みのもので、免疫機能が未発達の乳幼児は、結核菌に感染すると、全身に広がる粟粒(ぞくりゅう)結核や、結核性髄膜炎に至るリスクが高いことから、予防する効果が認められている。
日本は「結核が国民病」と言われた時代が長かったことから一般的だが、米国やイタリア、オランダなど予防接種制度がない国や、感染が減ったスペインやフランスでは中止している国もある。
3月15〜24日まで15日間で比較
その結果、BCGワクチンの予防接種がある国では、100万人あたりの感染率が38.4だったのに対して、予防接種がない国では9倍以上の358.4だった。さらに死亡率を見ると、予防接種国では4.28にとどまったのに対し、未接種国では40と高くなったという。
国別に比較すると、予防接種があるポルトガルではこの間の感染者数は1万6000人以上だが、死者数は535人。制度がない隣のスペインでは感染者数は16万9000人を超え、死者数は1万7000人以上。
さらにワクチン接種国のアイルランドでは、感染者数9655人、死者数334人(致死率3.5%)であるのに対し、予防接種制度が無くなった英国では感染者数8万9554人、死者数1万1346人と、致死率は12.7%と高くなった。